食べさせて貰うことにした。
 男はチャレンジ精神を失って成長することはない。何事も経験だ。
 千鶴さんはテキパキと皿を並べていく。この手慣れた作業進行を見ていると、料理下手というのはウソなんじゃないかとさえ思えてくる。しかしもちろん、彼女の料理は「必殺」の一語が似合う代物なのだが。

 ツーンとした匂いがたまらない。
 たまらない、というのはここではネガティブな意味で使っている。
 ちなみに梓と初音ちゃんは既に家を出た。登校という理由だ。あの二人にまで地獄を味わわせる事はなかろう。特に引き留めなかった。

 食べてみたら意外に美味しかった。
 特に肉の味付けが絶妙である。 「これ何ですか」
「楓です」
 千鶴さんはぺろっと舌を出し、微笑んだ。


(お・わ・り☆)