バトル・ロワイアル

第13話『月姫』


 ふと、目が覚めた。

 暗い夜。

 まわりには誰もいない。

 寒々とした部屋。

 一人きりはこわいから、みんなに会いたくて庭へ出た。


 庭は広くて、深い深い森が押し寄せてきていて、
 黒い木々は大きなカーテンのよう。
 まるで開演前の劇場。

 遠くでいろんな音がしてる。

 幕はまだ開かない。
 我慢できずに森に入った。

 森の中はただ、寒い。
 ツメタイクウキがからだをつつむ。
 アタタカイヒカリは届かない。

 木々のヴェールを抜けた後、視界が開けた。


 森の広場には、みんな揃って待っていた。


 みんなふぞろいのかっこう。
 みんなバラバラの手足。

 黒くて、そして赤い絨毯の上で、みんな揃って待っていた。

 誰かが来る。
 バラバラにするために、こわい人がやってくる。

 ――分からない。

 けれど誰かが前にやってきて、かわりにバラバラにされてくれた。

 ピシャリと、
 トマトみたいな赤い水が顔にかかる。

 その、ロペスさん、という人はそれっきり口をきかなくなった。


 ――よく分からないけれど。


 ロペスさんに巻きついていたものが、今度は僕の体に巻きついた。
 細く、冷たい、色々なものを分割するための道具。

 空を見上げる。

 ああ、気づかなかった。

 今夜はこんなにも、

 月が――きれいだ――


「……緒方さ


33番・ロペス
42番・ラドウィック
43番・ヤング
45番・シュールストロム
49番・ディアス
70番・ブリトー          死亡

【残り47人】