11月17日「カープファンになった理由(わけ)」
「先輩は、どうしてカープファンになったんですか?」
後輩が、突然そんなことを訊いてきた。どうでも良い質問だったので、簡潔に答えた。
「自明だ」
「それじゃ分かりません」
「不定だ」
「ますます分かりません」
何故分からないんだ、これだけ簡潔に全てを伝えられる、かっこいい言葉を選んでいるというのに。そう言ったが、後輩は言い返してきた。
「使うトコ間違えてますよ。不定だ、っての『笑わない数学者』のあの人でしょう? あれは、天才近似者が使うから味があるんです」
「オレが凡才大魔王で天才近似者じゃないとでも言いたいのか、オレはボクシングの奇跡の大地だと皆から讃えられる男なのだぞ」
「それはキンシャサです。先輩、その駄洒落わかりにくいですよ」
お前は何も分かっていない。こういうオ洒落(オッサンの駄洒落、の略ではない)なものはな、すぐに分かってしまってはいけないのだ。まずは少し相手に考えさせ、そしてクスリと笑わせ、最後にホロリと泣かせなければならないのだ、吉本で牛馬のようにこき使われて脳の筋肉を鍛え直してこい、と捲し立てたが、ハナで笑われた。
まぁ仕方がない。後輩にも分かるように説明してやろう。オレが、何故カープファンになったのかを。
「そう、あれは、ある暑い夏の日だった……」
(つづく)
11月16日
皆に指令が発せられました。
「事は全てエレガントに運べ」
とのことです。