●RCCラジオ内のインタビュー(98/05/27)


−−今の調子ですけど、どうですか?
高橋建「普通ですね」

−−日曜日の東京ドームの試合を振り返りたいんですが、一打逆転の場面の
  清水の打席で出ましたよね。そして代打は右の広沢。
高橋建「今シーズンで一番緊張する場面だったですね。1点差で一打逆転の
    場面ですね。ミンチーも頑張ってたから、点がやれないから。
    結果が良かっただけで、内容は良くなかったので…ホッとしてます」

−−信頼度ナンバーワンかなと思うんですが?
高橋建「いや、そんなことないですよ。幹英とか横山、玉木も調子良いので、
    みんないいので一番信頼されてると言うのは…無いと思う」

−−高橋投手の課題はコントロールだと思うんですけど、ここ最近3試合、
  四球や死球がなどがないんですよね?
高橋建「そうなんですか? どうなんですかね、解りません」

−−コントロールに関しては自信を持ち始めたのでしょうか?
高橋建「…解りません(笑い)」

−−高橋建投手は中継ぎと言っても、早い回から投げることもあれば、終盤
  投げることもありますが、いつ投げるか解らないことがありますか?
高橋建「あの、解らないことが多いんですけど、初回から投げる場面がいつか
    考えながらやっているので、それが上手くいってるのではないか」

−−気持ち的にも色んな場面で投げるので、どうなんでしょう?
高橋建「走者がない場面の方が投げやすい。走者がある場面ではなんとか先発が
    頑張ってくれないかと思っている」

−−機会があれば先発がやりたい?
高橋建「そうですね。長いイニング投げたいですし、頑張りたいんですけど。
    その試合を左右するのはやはり先発が多いのですから」


安仁屋「彼を先発に推している。特にこの横浜戦なんかいいのではないか。
    明日でも勿論良い。
    やっぱ球のキレが良い。意外と優しそうな顔をして度胸が良い。
    やはり投手をやっている以上先発がみんなやりたいはず。そして先発が
    最後まで投げきる」



●スポニチの記事(98/07/07)

──ここまでに6試合先発している。その中で一番悪かったのは?
高橋建「函館の横浜戦(6/20、5回2/3で2失点)ですね」

──まだ完投がない。スタミナに不安がある?
建さん「スタミナは大丈夫です。市民球場の横浜戦(5/28)と甲子園での阪神戦(6/12)では、完投できると思ったんですが…」

──150球でも160球でも不安はない?
建さん「今年の最高が倉敷の阪神戦での127球です。まだ150球も投げたことがないので不安はありますが、出来ないことは無いと思います」

──今、何歳?
建さん「
29歳です」

──29歳か…。でも肩は使ってないんだよね
建さん「そう思います。大学(拓大)4年生から投手を始めましたから」

──去年の二段モーションから、今年は右足をゆっくり上げるようになった。それで間が取れている。
建さん「今年の開幕はファームからのスタートになった。ゆっくり考える時間がありました」

──フォームなどについて、色々考えた?
建さん「2軍の外木場さん(投手コーチ)や片岡さん(バッテリーコーチ)と良く話をしました。二段モーションにクレームがつくのなら、ゆっくり右足をあげてみようと…」

──ゆっくり、かつ大きく右足を上げるようになって、見ていてもいい感じだよ。投げ急いでもいないし、間もできた。
建さん「中学の時に少しピッチャーをやった際に、大きく右足を上げていた。バッターに自分の姿を大きく見せよう、と…(笑)」

──新しいフォームで投げるようになって、去年と変わった?
建さん「コントロールは良くなったが、スピードは遅くなりました。でも、相手のバッターは”球のキレが良くなった”と言ってくれます」

──いいじゃない。私が見ていても、真っ直ぐのコントロールが良くなったと思うよ。
──持ち球は真っ直ぐ、カーブ、スライダー、フォーク、シュートかな。
建さん「カーブとシュートはただ投げるだけです(笑)。一昨年川端さんに”スライダーを覚えたら楽だぞ”と言われて勉強しました」

──それで、どうだった?
建さん「難しかったですね。最近ようやく曲がるようになってきました」

──ボールは少し動けばいいんだよ。バットの芯を外してしまえばいいんだから、大きく曲げる必要はない。
建さん「投げていても良く解ります」

──29歳だが肉体的にはまだ若い。これからはピッチングを覚えていかないといけないね。色んな人とよく話をする?
建さん「函館の横浜戦では6イニング目に捕まってしまいました。球が高めに行って…。その時大野さんにアドバイスして頂きました。いい人が近くにおられます」

──これから何年も投げられるように、色んなものを吸収して欲しい。良い野球人生を送り、背番号22をカープの歴史に残さないとね
建さん「頑張ります」

●『ホームよりコイに焦がれて』(98/06/29)

 今回は勝負の4年目、ローテーションの一角に加わりつつある高橋建投手の素顔を紹介したいと思います。

 今春の沖縄キャンプで川端投手コーチと北別府臨時コーチと一緒に食事をしたときのことです。2人は「能力の高さは申し分なし。メンタル面の弱さが最大の課題」という意見で一致していました。「優しいんだよな、アイツは」との川端コーチのセリフは、今でも善く覚えています。
 その後、川端コーチがフォームを「大きく、ゆったりに」戻す後押しをし、北別府さんは左打者対策にシュートを伝授、シーズンを迎えたのでした。

 丁度一ヶ月前、雨の降る横浜11回戦(5/28広島)。今季初先発で8回まで無失点、2勝目を挙げた高橋建はお立ち台に上がりました。沢山の気の利いたことでも喋って貰おうとマイクを向けると、口元が震え、目にはうっすらと涙がにじんでいました。
 投手たるもの「オレが投げなきゃ試合は始まらんのだ!」くらいの気持ちでマウンドに登らなくては勝ち星なんて挙げられないと言う人もいます。しかし、気の優しいピッチャーが軸になってチームを救ってもいいじゃないですか。

 6月27日の中日戦で2敗目を喫したが、課題の内角攻めも「徐々に出来てきた」(本人)、「リズム良く投げられるようになり、攻めている」(川端コーチ)。あとは「調子の悪いときにも、ゲームを壊さないこと」(同コーチ)が信頼されるエースへの必須条件。

 さて、最後に「建さん」を象徴するエピソードを…。
 「ローテーション入りして変わったことは?」に「テレビをもう一台、買いました。"上がり"の日、娘とチャンネル争いをするので…(笑い)」

●首位いじめ、「ボクがやる」(98/08/05)

 勝ち運に恵まれていない面がある。高橋建が好投しても、その時味方打線に元気がなく、敗戦投手になってしまう。5月28日の横浜戦で2勝目を挙げてから、約2ヶ月半も勝ち星から遠ざかっている。現在、6連敗中…。

 「これまでボクの登板した試合では、打線と投手のデキが噛み合うことは少なかったけど、そのうちにチーム全体の雰囲気は上がってくるはず。ウチの打線は凄いですから」と勝ち星を目指す気持ちは衰えていない。

 心の支えは"お得意さま"が出来たこと。昨年は横浜戦、中日戦が、それぞれ防御率5.40、5.59と苦手にしていた。それが今季、特に横浜戦の防御率は3.00と跳ね上げ、苦手意識を払拭。
「シーズンの最初に横浜戦で好投できて、気持ちの面で自信が持てた。苦手意識を完全に克服するために、これからも(横浜戦に)ドンドン投げていきたい」と話す。

 それでも首位・横浜の背中は遠くなっていく。勝ち運に恵まれなかった一面があるとは言え、高橋建が早々とKOされる試合もあり、首位から離される一因も作ってしまった。それだけに首位いじめは任せろ─と言うのだ。
 勝ち星をもう一度掴むためには集中力の持続が過大だ。7月30日の阪神戦でも5回まで2失点に抑えながら、6回に連打されてあっさり降板。結局5回0/3、4失点で負け投手になった。「詰めが甘いですよね」と反省する。

 プロ3年間で、シーズン中に二軍落ちを経験しなかった年はない。今季は開幕一軍こそ逃したものの、4月10日に昇格してから一度も二軍落ちしていない。それだけに「一年間通して一軍でプレーするのは駄目になったけど、今は一回も(二軍に)落ちずにやり通すことを目標にやっている」─。
 「気持ちが切れずに1試合、1シーズンを最後まで投げぬきたい」とキッパリ。ルーキー年の4勝が、自己のシーズン最多勝利数。夏場は苦手だが、高橋建は試合序盤からフルスロットルで投げ、勝利に執着する。

(辰已直之)